LPIC 304 のお勉強を兼ねて、Xen の検証環境を構築する。VMware Workstation 12 Player(以下、VMware Player)上の仮想マシンに CentOS 6.4 をインストールし、その中に Xen をインストールしてみる。
仮想マシンの作成
VMware Player を起動し、[新規仮想マシンの作成(N)] を選択する。ダイアログに従い適当に設定を進め、以下の画面が表示されたら [ハードウェアをカスタマイズ(C) ...] を選択する。
左側の [プロセッサ] を選択し、右側の [優先モード(M)] を 「Intel VT-x/EPT または AMD-V/RVI」に設定する。また、「Intel VT-x/EPT または AMD-V/RVI を仮想化(V)」にチェックを入れる。[プロセッサ コアの数(C)] は物理マシンのスペックに応じて適当に。[閉じる] をクリックし、前の画面に戻る。
後はお好み設定で CentOS 6.4 をインストールする。OS インストール時に Xen をインストールこともできるかもしれないが、後でもできるので一旦後回し。
今回はデスクトップ環境をインストールしたので、以降はその場合の手順を示す。
Xen のインストール
CentOS が起動したら [Applications] - [System Tools] - [Terminal] をクリックし、端末を起動する。
root にスイッチして、
$ su -
# yum list available | grep xen centos-release-xen.x86_64 (一部省略)
centos-release-xen.x86_64 なるパッケージが見つかった。パッケージの情報を見てみる。
(以下はインストール後のコマンド実行結果を貼り付けている)
# yum info centos-release-xen Installed Packages Name : centos-release-xen Arch : x86_64 Epoch : 10 Version : 8 Release : 2.el6 Size : 539 Repo : installed From repo : extras Summary : CentOS Virt SIG Xen repo configs URL : http://wiki.centos.org/QaWiki/Xen4 License : GPL Description : yum configs and scripts to allow easy installation of Xen on CentOS. : : NOTE This package may change major versions of Xen automatically on : yum update. If this is not the behavior you want, please install the : sub-package specific to the version of xen you want to use and then : remove this package. (At the moment this is centos-release-xen-44 or : centos-release-xen-46). (一部省略)
見るべきは Summary と Description だ。Xen on CentOS の簡易インストールを実現するための、yum の設定とスクリプト、ということらしい。Xen 本体ではないようだ。
パッケージが何者か分かったら、いよいよインストールする。
# yum install centos-release-xen
ちなみに、今の作業によって、Xen パッケージを配布しているリポジトリを yum で参照するための .repo ファイルができているはずだ。
[root@localhost ~]# ls -l /etc/yum.repos.d/ -rw-r--r--. 1 root root 539 Mar 23 2016 CentOS-Xen.repo (一部省略)
リポジトリが追加されたところで、もう一度 yum で Xen っぽいパッケージを探してみよう。
# yum list available | grep xen xen.x86_64 4.6.3-5.el6 @centos-virt-xen xen-doc.x86_64 4.6.3-5.el6 @centos-virt-xen (一部省略、余白削除)
Xen のパッケージが見つかった。ドキュメントと一緒にインストールする。
# yum install xen xen-doc
ブートローダの設定
マシン起動時に Xen が立ち上がるようにするため GRUB の設定をする。と言っても、Xen のインストール時に勝手に設定されているはず*1なので確認してみる。
# cat /boot/grub/grub.conf default=0 timeout=5 splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz hiddenmenu title CentOS (3.18.44-20.el6.x86_64) root (hd0,0) kernel /xen.gz dom0_mem=1024M,max:1024M cpu(省略) module /vmlinuz-3.18.44-20.el6.x86_64 ro ro(省略) module /initramfs-3.18.44-20.el6.x86_64.img title CentOS (2.6.32-358.el6.x86_64) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.6.32-358.el6.x86_64 ro ro(省略) initrd /initramfs-2.6.32-358.el6.x86_64.img
title から次の title までが一つのエントリで、上の例ではエントリが2つある。kernel /xen.gz ~となっている0番目のエントリが Xen の Domain-0 用のエントリだ(ここでは便宜上0番目から数える)。
マシン起動時にデフォルトで起動するエントリは、default で指定する。default=0 となっているので、デフォルトで Xen が起動する設定となっている。
想定どおりの設定となっていることが確認できた。
動作確認のため、マシンを再起動する。
# shutdown -r now
マシンが起動したら、稼働中のカーネルのリリースを確認してみよう。
$ uname -r 3.18.44-20.el6.x86_64
grub.conf のエントリと一致していたら成功だ。